第5回 国際協力機構 JICA


このコーナーでは日系企業、団体の職場を訪問して活動内容を紹介しています。
今回は日本と開発途上国の人々をむすぶ架け橋として、国際協力を推進されているJICAインド事務所の酒井所長を訪問しインタビューしました。

Q.先ずJICAインドの活動内容と陣容をお聞かせ下さい。

A.デリー事務所には現在4名の所員が駐在しています。インド各地には各々のプロジェクトを担当する多くの短期、長期専門家がいます。

Q.現在インド各地で進行中のプロジェクトの中から、ひとつご紹介下さい。

A.JICAは、開発途上国の社会や経済が自立的に発展できるよう、人を通じた国際協力を行っています。多くのプロジェクトを行っていますが、その中から日本人会の皆様にも興味が深いと思われる『養蚕普及強化計画』についてお話します。

Q.インドではサリーをはじめ絹の需要は大きいと思いますし、養蚕も盛んなのでは?

A.高級サリーに使用される高品質の絹糸の大部分は中国から輸入されています。JICAによる『養蚕普及強化計画』は、中国からの輸入をインド国産に置き換え、そして農家の貧困問題の解決策として、1991年にスタートしたプロジェクトです。日本の養蚕地帯である長野県や群馬県などと気候条件が似通ったバンガロール、マイソールで行われています。

Q.13年間も継続している訳ですね!

A.1991年から1997年は第1期として世界最高のレベルにある日本の生産技術をインドに導入する為の『品質改良の基礎研究』が行われました。1997年から2002年にかけて周辺農村におけるモデル農家の育成が行われ、約200戸の農家が高品質の繭を出荷しています。現在は第3期として、カルナタカ、タミルナド、APの近隣3州へ活動を広げています。

Q.インド産絹糸の品質は?

A.例えばインド産絹糸は縦糸に使用できません。製造過程における品質管理にも問題がおおくあります。モデル農家から出荷された繭は、インド産在来種の1.5倍から2倍の価格で取引され、最近ではマイソール繭取引所の取り扱い量の3~4割を占めています。(インド在来種の繭とプロジェクト・モデル農家の生産した繭を拝見しましたが、その品質の違いは一目瞭然でした。)

Q.今後の課題は?

A.今までは供給側の立場で人材育成に取り組んできましたが、まだまだ十分に技術が普及したとは言い切れません。さらに、今後は買い手側の改革が必要です。インドには品質判定の基準となる検定制度がありません。養蚕農家の人たちが出荷する繭の品質に見合った適正な価格を判定する仕組みが今後必要になります。

Q.酒井さんは2回目のインド駐在と伺いましたが?

A.最初の駐在は1991年から1994年の3年間です。ちょうどこのプロジェクトが始まった時ですね。

Q.インドに再度赴任され、どの様に感じられましたか?

A.一番の違いは、通信インフラが整ってきた点ですね。1991年当時は、日本への国際電話もなかなか通じず、特に本部への連絡が集中する月曜日、金曜日は何時間も待って一日一回の通話がやっとでした。車も多くなっていますね。

Q.単身赴任でしょうか?

A.妻はインドと日本を往復していますので、1.5人赴任ですね。果物、野菜が豊富になったと妻も話しています。

Q.週末はいかがお過ごしですか?

A.ゴルフを楽しんでいます。デリー近辺のゴルフ事情も変わりましたね。最初の赴任当時はデリーゴルフクラブだけでしたが、現在はコースも増え、ゴルフ人口も伸びています。


本日はお忙しいところ、インタビューにご協力いただき有難うございました。
インタビューアー 広報部 細川

>> BACK <<