| シリーズ インド国内旅行-避暑地編 |
ナピーノオート
宮澤喬男
デリーから車で行ける観光地といえば、アグラ、ジャイプールがすぐに思い浮かびますが、そんな場所はもう飽きた!暑い!もっと他の場所は!と言われる方も多いのではないでしょうか?
今回はそういった方の為に、ちょっといつもと違う観光地を紹介します。日本人にはマイナーですが、ベタなインド人には有名な観光地で、デリー駐在の思い出作りをされるのはいかがでしょうか?
1.北インドヒマラヤ(マナーリ)
私がインドへ赴任してから3年が経過しました。
その間に北インドヒマラヤを訪れた回数は12回になります。つまり1年に4回ほどのペースで通っていることになり、すっかり北インドヒマラヤにはまり込んでいる状態です。
今回は一番ポピュラーなヒマーチャルプラデッシュ州のマナーリを基点にした北インドヒマラヤを紹介します。
皆さん、ヒマラヤというとすぐにエベレストをはじめとする8000m峰の連なるネパールヒマラヤが頭に浮かんでくることと思います。
どうしてどうして、ヒマラヤ山脈は広大でその大部分はインド国内にあるのです。北インドのウトランチャル州、ヒマーチャルプラデッシュ州、カシミールの山々を一般に北インドヒマラヤと呼んでいます。北インドヒマラヤの特徴は8000mを超える峰はありませんが、6000m~7000m級の山々が数え切れない程あること、道路が発達していて山の奥まで車で簡単に入れることです。ネパールヒマラヤでは2週間程のトレッキングをして初めて山麓に着くのですが北インドヒマラヤでは観光気分でヒマラヤの雄大な景色や高山植物を楽しむことができます。
今回紹介するマナーリはデリーから約700km北に位置しており、車で12時間程かかります。空路ではデリーから双発の小型機が1日2回飛んでいます。クルー空港まで90分、そこからタクシーで90分でマナーリに行くことができます。
マナーリの町は標高2000mで真っ白なヒマラヤの山々に囲まれたリゾート地です。しゃれたホテルや別荘が立ち並び、ヨーロッパアルプス山麓を彷彿とさせる美しい町です。マナーリから車で3時間で標高3955mのロータンパス(峠)まで行くことができます。ロータンパスまでの道のりは、目のくらむ様な深い谷底を眺めたり、だんだん近づいてくるヒマラヤの山々、高山植物の大群落を見ながら、あっという間に3時間が過ぎてしまいます。
ロータンパスからは神々しい北インドヒマラヤの山々が大きく目に飛び込んできます。思わず我を忘れて見入ってしまいます。
ロータンパスは冬季には深雪のため閉鎖されていますが、5月下旬から11月まで開通しています。6月は、ロータンパスは一面の雪で道路だけが雪の壁の中で通っています。雪の壁は5mに達する所もあります。この時期はデリーからのインド人避暑客が大勢訪れて、スキーやソリ遊びを楽しんでおり、とても混雑しています。
お花畑は標高3400mの茶店のあるマリという所で楽しむことができます。ヒマラヤさくら草の大群落やヒマラヤリンドウ、あやめ、いちげ等の高山植物がかわいい姿で迎えてくれます。7月、8月はモンスーン期で山々の展望はあまり期待できませんが、お花畑は一番種類が多く、また一番美しい季節です。マリからロータンパスまでは一面の高山植物が咲き乱れています。幻の花と言われるブルーポピーが見られるのもこの季節です。
8月も下旬になるとモンスーンも終り、景色と高山植物の両方を楽しむことができます。10月には新雪が来てロータンパスは白一色の世界になります。山々にも新雪が積もり、美しい峰々を眺めることができます。また、星が一番美しいのもこの季節です。日本では考えられない程の星の数とその美しさに感動します。双眼鏡で渦巻き星雲が見えたのには驚いてしまいました。
マナーリには森田さんという日本人ご夫妻が経営する“風来坊山荘”というロッジがあります。瀟洒な山荘でツインベッドルームが8室あり、16名まで宿泊できます。近くには温泉もあり、露天風呂には無料で入浴できます。森田さんご夫妻は中学校の先生でしたが、北インドヒマラヤへ通っている内にその魅力にひかれ、とうとう山荘を建てインドの住人になってしまった方です。
この山荘では日本食がメニューで、囲碁、将棋、麻雀具も揃っています。森田さんに頼めばガイドやポーター、キャンプ用具まで全て調えてくれます。
最後に注意点を一つ、それは高度障害です。富士山よりも高い所に登るのですから、高度障害になる可能性があります。標高2000mのマナーリに一泊すれば、高度順化は可能です。車で夜行で行ってそのままロータンパスに登ることは避けて下さい。また、ロータンパスでは走ったり、急な運動をすることも危険です。
幸い、私は20人以上の日本人の方々を案内しましたが、まだ一人も高度障害にかかった人はいません。
夏ならば運動靴にセーターで充分、北インドヒマラヤを楽しむことができます。
長くなりましたが、北インドヒマラヤにはマナーリの他にもすばらしい所が沢山あります。機会がありましたらまた紹介させて頂きます。
2.ナイニタール
マナリと並んでインド人には有名な避暑地です。デリーから約300km、車で6~7時間、ウッタランチャル州に位置します。マナリに比べてアクセスが便利なせいか、デリー在住のインド人ファミリーも夏休みの時期にはたくさん訪れるようです。ナイニタールへの道路は一部悪路もありますが、車窓から見えるのんびりしたインド農村の風景、また信号待ち・クラクション・蛇行運転から解放されたドライブはデリーでの窮屈な通勤ラッシュを忘れさせてくれること間違いありません。
町の光景は日本でいうなら「軽井沢」といったところでしょうか(テニスコートはありませんが・・・)。山々に囲まれた小さな町の真ん中にエメラルド色の湖があります。宿泊は湖を見下ろせるホテル(Hotel Naini Retreat)があり、チャイを飲みながら見下ろす湖は絶景で、下界の喧騒を忘れさせてくれます。
見どころを説明するほど大きな町ではありませんが、おすすめの散策スポットは湖周辺、及び山でしょうか。湖の周辺にゲストハウスやレストランがあり、ナイニタールの中心街です。湖ではボートに乗ったり、また湖畔にはバザールがあり民芸品を見たりして散策、ショッピングを楽しむことができます。
また山ではスノー・ビューがおすすめです。ロープウェーで手軽に行くことができ、2270mから見下ろす風景を楽しめます。またポニーで山を散策したりと、自然を満喫することができます。
デリーの暑さと喧騒から逃れのんびりしたい方、自然と触れあってみたい家族連れにはお勧めです。
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