インド国内旅行オススメ5
日本発着のインド旅行では足の届きにくい旅先をご紹介するこの企画。前号の車で行ける近場のご紹介から、今回はぐいーんと範囲を広げインド全域から「ここは行って良かったー!かも?」という独断と偏見の5箇所を紹介。さらに、在インドでも知らずに帰国することもあるアノ場所をご紹介する「番外編」もお見逃しなく。

文:かしまなおみ(編集部)

■レー Leh
 デリーからは陸路・空路ともにありますが、山越えをする陸路の方が体力も時間も要します。かたや空路は、デリーからひとっとびですが、数日間は高山病による頭痛や吐き気など発症することもあります。余裕をもってのんびり行動しましょう。

 レーの魅力は、何といっても他に類を見ないダイナミックな自然環境そのもの。一歩空港に降り立つと、突き抜ける青空に赤茶色の地面、そびえる山に深い谷、どこまでも音が響く乾いた空気が迫ってきます。ゲーム『ドラクエ』の世界観を体験できる・・・というと想像がつく方もいますか? 観光には行く先々で入域許可が必要になり、現地入りしてから、じゃあ今すぐ行こう!というわけにはいきません。渡航前にプランをたて、旅行代理店を通して入域許可を依頼することをお勧めします。

■コチ&バックウォーター Kochi & Backwater
 ケララ州コチは、海岸で見られるチャイニーズ・フィッシング・ネットと呼ばれる特有の漁網で有名です。様々な魚が並ぶ朝市や、インド最古といわれるフランシス教会、モスク、ポルトガル家屋なども風情ある町並みです。

 コチから海岸沿いにひたすら北上したところにあるグルヴァユールという町には、たくさんのインド象たちが飼育されている施設があります。歩いて見て回れるほどの小さな施設ですが、目の前で寝そべった象が飼育員に刀で爪を切ってもらう姿も見られ、迫力満点すぎて少し怖いくらいです。

 バックウォーターは海岸から内陸の奥の方まで続いており、両岸にヤシの木が茂る長い水路をボートでゆったり観光できます。水路は砂利などを運ぶ船とすれ違う程の広い所あれば、土手沿いの細い土地で暮らす人々のすぐ脇を進むことも。船上で出されるバナナのフライなどのスナックが、なかなか美味しいのです。

 コチでの宿泊の選択肢は様々ですが、私が利用したThe Malabar Houseはお勧めです。小さなホテルですが、レストランの食事はどれもおいしく、さっぱりと清潔でリゾート感たっぷりで旅気分を盛り上げます。

■グワリオール&オルチャ Gwalior & Orcha
 マッディヤプラデーシュ州にあるこの2都市、デリーから車で行くことも可能ですが、体力の無い方は飛行機で。デリーからグワリオールまでは車で約6時間。アグラから更に2-3時間NH-2を南下します。

 グワリオールは広大な平野にぽっこりと高台があり、そこに巨大なグワリオール城が。城壁にはブルーを基調としたタイルで描かれたアヒルや象などヒンドゥ教に縁深い動物達が15世紀から修復されながら今も色鮮やかに残っています。広い敷地内にはヒンドゥ教、シーク教、ジャイナ教の寺院が点在。岩壁から掘り出されたジャイナ経の石像を下から見上げると、その大きさに驚かされます。

 グワリオールから車で約3時間走るとオルチャへ到着。とても小さな街を流れるベトワ川の中州全体はいくつかの宮殿を含む要塞になっています。オルチャの街で特に異彩を放っているのはチャトリという墓園。墓と言っても小さな墓石があるのではなく、その建造物は空に向かって伸びる尖塔と苔むした壁から、妖気がたちのぼるようです。観光客がたくさん訪れるような場所ではありませんが、多様な種類の遺跡が同じ敷地内に集まる様子が印象に残ります。

■インド最南端、コモリン岬で初日の出
 ここはカニヤクマリ (Kanyakumari)というインド最南端の町で、インド洋・アラビア海・ベンガル湾が合流するヒンドゥ教の聖地です。今年の初日の出をここで拝んだ日本人駐在員は、デリーテニス同好会幹事の田澤和徳さん。写真では見えにくいですが、彫像の台座付近、左側に小さく朝日が昇っているところです。時刻は朝6:40頃。インド最南端とあって元旦でも気候は穏やか。日の出を待つのも全く苦にならない程で、たくさんのインド人に囲まれ、体感温度も高めだったとのこと。彫像は岩の上に立つヴィヴェーカーナンダ記念堂で、岬からボートに乗って15分程で渡ることができます。

 コモリン岬へは、ケララ州トリヴァンドラムの空港から車で約2時間。ケララへの2泊3日程度の旅、もしくは南東方面のマドゥライ、マハーバリプラム、チェンナイ等と組み合わせて3泊4日程の旅と組み合わせて訪れてはいかがでしょう。コモリン岬にある沐浴場はもちろん川ではなく海ですから、暑い日に行くと思わず入りたくなる爽やかさですよ。

※コモリン岬の情報提供 田澤和徳(ジェトロ・ニューデリー・センター)

■仏教のルーツに触れる旅、ブッダガヤ
 日本人観光客にも大人気のビハール州ブッダガヤ周辺には、言わずと知れた仏教関連史跡が多く集まっています。ブッダガヤ、ガヤ、ラージギル、ナーランダを巡る2泊3日の旅はいかがでしょうか。ブッダガヤにはインドの仏教建築だけではなく、日本、タイ、ネパール、ブータン、中国など、世界各国の仏教寺院が集まり、それぞれに特徴が異なるので見ていて飽きることがありません。さながら仏教テーマーパークかと思うような見ごたえです。

 世界文化遺産マハーボディ寺院には世界各国からたくさんの人々が巡礼や観光に訪れます。オレンジ色の法衣を着たお坊さん達が敷地内のそこかしこで円陣を組んで説法をする中には観光客の姿もあります。静かに流れる時間の中、五体投地で祈りをささげる僧侶の姿を目にすると、日本にいる時は気に留めることの少ない、宗教の意義を考えさせられます。

■番外編:なかなか行けない旅 東のアンダマン・ニコバル、西のラクシャディープ

 インド本土を左右から挟む形で位置する2つの諸島。どちらも同じかと思いきや、全く異なる光景が待っています。いずれも海がきれいなだけに、写真をカラーでお見せできないのが残念。現実は、その目で確かめてきてください。

西のラクシャディープ諸島 Lakshadweep Islands
 インド本土のケララ州コチ空港から飛行機で約30分。アラビア海に浮かぶ36の小さな島々のうち、外国人が入れるのはアガッティ島、カドマット島、バンガラム島の3島のみ。モルディブのすぐ北に位置し、エメラルドグリーンの海に白い砂浜が広がります。私が訪れたアガッティ島にはホテルは島にひとつだけ、とても簡素で食事はインド料理のみです。世界でも有数のウミガメの産卵地で、滞在中の満月の夜、ひと気の無い浜辺にウミガメがあがってきました。この島はイスラム圏の為、酒類の販売は禁止ですが旅行者の持込は許されています。美しい海でウミガメとともに泳ぎたいなら、ここ。

東のアンダマン・ニコバル諸島 Andaman & Nicobar Islands

ベンガル湾の遥か南東に位置し、島の総数は572島。南のニコバル諸島には軍事施設がある(らしい)ので、インド人・外国人共に特別な許可無しには入島出来ません。北のアンダマン諸島は入島可能で、リゾート観光施設の開発が進められています。大陸からのアクセスルートは主に空路で、南アンダマン地区のポート・ブレア(Port Blair)に空港があります。

 ここで楽しめるのは、ちょっとした観光と海水浴。ホテルは超一級ではないものの、4ツ星ホテルが数件あり難なく過ごすことが出来ます。観光はニッチな場所揃い。英国植民地時代に政治犯の流刑地として機能したこの地には関連史跡が多く、刑務所跡や処刑場跡が残ります。また、第2次世界大戦時には日本帝国軍がこの地を英国から解放したので、刑務所の資料館には「アンダマン刑務所」の表札のかかった写真が展示され、海岸沿いに塹壕跡や日本軍戦死者慰霊碑が。日本とインドの歴史的繋がりを実感する場所です。

※アンダマン・ニコバル諸島の原稿・写真提供:山中崇之(三井物産)

お出かけ前は外務省の危険地域情報を参考に安全をお確かめください。
外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/

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