赴任後

6.家事補助者

 日本人家庭の家事補助者にはドライバー、コック、ハウスキーパー(家事一般)、スイーパー(掃除)、チョキダール(門番)、ベアラー(給仕)、アヤ(子守)、ドビー(洗濯)、マリ(庭師)などがあり、各家庭で必要に応じて雇用しています。

 スイーパー、ドビー、マリは数件の掛け持ちのパート雇い、チョキダールは個人又は会社契約の場合が多いのが現状です。

採用
・前任者からの引き継ぎ、知人からの紹介、またはアメリカ大使館注1などから情報を得、面談で決めることが一般的である。日本人会室に要注意人物リストなどのデータが揃っているので確認すること。

・試用期間を1〜3ヶ月設け、その間に人柄、仕事の能力などを見極め、雇用を決める。その際、条件などは周りの状況を参考にしたり、知人に相談するなどして決めるのが望ましい。

・身元保証書(Certificate)注2の確認、給料や休暇などの確認(契約書を取り交わす)、健康診断を受けさせるなど、後のトラブルを避けるために必ず行っておく。

注1) アメリカ大使館では家事補助者の紹介をしている。曜日や時間帯が決まっているので事前に確認が必要。

注2) 元雇用者が人柄、働きぶりなど書面にて保証したもの。直接話を聞くこともできるが、評価については個人差があるので参考程度に。
雇用条件、その他

(1) 基本給

 業種、勤務形態、経験、勤続年数によってさまざまである。一年毎に5〜10%アップすることが多いが、あくまでもケースバイケースである(2005.5.アンケート結果参照のこと)。

コック
基本給(月額/Rs.) 人数
1000〜2000
2000〜3000
3000〜4000 23
4000〜5000 28
5000〜6000 13
6000〜7000
7000以上

ドライバー
基本給(月額/Rs.) 人数
3000〜4000
4000〜5000 17
5000〜6000 14
6000〜7000
7000〜8000
8000以上

ハウスキーパー
基本給(月額/Rs.) 人数
1000〜2000 13
2000〜3000 19
3000〜4000 27
4000〜5000 10
5000〜6000

スイーパー
基本給(月額/Rs.) 人数
〜1000 17
1000〜2000 12
2000〜3000
3000〜4000

(2) オーバータイム

業種や勤務形態によりさまざまである(2005.5.アンケート結果参照のこと)。

コック
1時間につき 人数
〜Rs.20 10
〜Rs.30 16
〜Rs.40
〜Rs.50
なし 16
決まっていない 17
残業しない
それ以外

ドライバー
1時間につき 人数
〜Rs.20 11
〜Rs.30 18
〜Rs.40
〜Rs.50
なし
決まっていない
それ以外

ハウスキーパー
1時間につき 人数
〜Rs.20 19
〜Rs.30 14
〜Rs.40
〜Rs.50
なし 16
決まっていない
それ以外

スイーパー
1時間につき 人数
〜Rs.20
〜Rs.30
なし 35
決まっていない
それ以外

(3) 勤続年数

 特に問題の無い家事補助者は後任に引き継ぐことが多いので、自ずと勤務年数が長くなる傾向にあるが、ここ(2005.5.アンケート結果)では自分の代で何年目という回答が多い。

コック
年数 人数
〜1年 29
〜2年 22
〜3年
〜4年
〜5年
5年以上

ドライバー
年数 人数
〜1年 19
〜2年 11
〜3年
〜4年
〜5年
5年以上

ハウスキーパー
年数 人数
〜1年 25
〜2年 20
〜3年
〜4年
〜5年
5年以上

スイーパー
年数 人数
〜1年 25
〜2年
〜3年
〜4年
〜5年
5年以上

(4) ボーナス

 ディワリやホーリー、クリスマスなどの際に、一年分の就労に対し、基本給の1ヶ月分を一度に、もしくは二度に分けて支給するというケースが多い。

(5) 勤務時間

 各家庭によってばらつきが多く、6:00〜22:00(含休憩時間)の間で職種、家族構成、住み込みか否かなどによってさまざまである。通いの場合は開始時間を遅めに、終了時間を早めに設定するケースが多い。

 スイーパーやマリ、ドビーなどは一日1〜数時間程度。

(6) 休日

  • 週休1日(日曜日)が標準である。
  • 国民の祝日や会社の公休日に合わせて休みを与える家庭もある。
  • 使用人の宗教に応じてヒンドゥーならディワリとホーリー、クリスチャンならクリスマスとグッドフライデーというように与えるケースも多い。
  • 長期一時帰国中を休暇にしたり、有給休暇を年に数日(5〜10日)与えるケースもある。

(7) 退職金

 本採用後、家事補助者が自ら辞職を願い出た場合は、その月に働いた日数分の給料を支払うだけでよい。ただし、雇用者が一方的に解雇する場合は働いた日数分の給料+月給1ヶ月分の退職金を支払うケースが多い。試用期間中に辞めさせる場合は働いた日数分の給料を支払うだけでよい。

(8) 昇給

 1年ごとに5〜10%程度のアップというのが一般的であるが、ない場合もある。パートタイムは昇給しないことが多い。いずれにしても採用時に確認しておくことが肝心である。

(9) 住居(代)・交通費

クォーターを与える場合
  • 試用期間中は原則として使用させない。
  • 家事補助者に与える場合、その家族以外の同居は認めない、家族以外を敷地内に入れる場合は事前に許可をとらせることなど契約時に明確にする。
クォーターを与えない場合
  • コックなどにクォーター代を支給するケースもある。
  • 交通費としてバス代を支給するケースもある。
  • パートの家事補助者には支給しないのが一般的である。

(10) ユニフォーム

 支給する、しないは各家庭によってまちまちである。現金で支給する家庭は基本給の半月分が目安。現物支給の場合、こちらが選んだものより本人に選ばせる方が無難である。その場合、領収書を提出させることが望ましい。試用期間中、またはパートタイムの家事補助者には不要である。

(11) 健康診断

 採用時、健康診断を受けさせた方がよい(特にコック、アヤ、ハウスキーパー)。

 検査内容としては、X線、一般血液検査、肝機能検査、検便、尿検査の他、AIDS、B型肝炎、ツベルクリン反応などがあげられる。検査料は雇用者の負担で、結果は雇用者が受け取るように手配する。

※ 医療機関については、デリー医療案内を参照のこと。

※ 下に家事補助者健康診断書式例を掲載しているので参照のこと。

(12) 治療に関して

  • 政府系医療機関は原則として無料であるため、治療費は支給しないケースが多い。
  • 支給する場合でも医師の診断書、薬の請求書を提出させチェックしてからにする。
  • 思わぬ事故を避けるため、手持ちの薬を与えることは避ける。
家事補助者の健康診断書式例
Wordファイルを参照のこと。
解雇理由(2005.5.アンケート回答より)
性格、態度に関する理由
  • 無断欠勤をした。
  • ルールを守らなかった。毎日遅刻してきた。
  • 性格がきつく、相性が悪かった。
  • 態度が悪かった。
勤務条件に関する理由
  • いつもリクエストばかりしてきた。
  • 給料面でもめた。前借りが多かった。
  • 勤務時間帯の折り合いがつかなかった。
健康面の理由
  • 健康診断で病気が発覚した。
  • 体調不良を理由に真面目に働かなくなった。
  • 衛生面で合わなかった。アメーバー赤痢を持っていた。
  • 妊娠休暇が長かった。
  • 体臭がきつかった。
勤務上の問題、その他
  • 仕事が雑だった。
  • 仕事に関しての要望を無視した。
  • 信頼関係が築けなかった(小さな嘘が多く信用できなかった)。
  • 英語でのコミュニケーションが取れなかった。
  • 家事補助者同士の喧嘩が絶えなかった。
  • 前任者からの引き継ぎで、分からないことをいいことに主導権を握られていた。
問題行為
  • ものを盗んだ。
  • 外から来るワーカーの支払金額をごまかした。
  • 買い物代をごまかした。料理したものの一部を持ち帰っていた。
  • 支給しているモバイルを私用で使った。
  • 自分の故郷に私用電話していた。
  • 家の洗濯機を無断で使用していた。
  • サーバントクォーターに友人を引き入れ、飲酒を含むパーティをしていた。隣人とのトラブルもあった。
ドライバーの事例
  • 車のガソリンを盗んでいた。修理で不要になった部品も許可なく売っていた。
  • 運転が下手だった。
  • 酒癖が悪かった。飲酒運転をした。
  • 事故が多かった。
  • 走行中の危険行為が多かった。
※ 実際の回答をそのまま掲載しています。ご承知のうえご参考ください。
アドバイス(2005.5.アンケート回答より)
契約に際して
  • 素直な性格で、真面目な人を選ぶ。
  • 仕事ができるかはもとより、性格が合うかどうかもポイントになる。
  • 前任者からの引き継ぎの場合、一旦退職金を払ってもらい新たに雇うという形を取るのが望ましい。
  • 身元の確認、地元警察への登録を行う。
  • 既婚女性を雇う場合、配偶者(夫)の職業も確認しておくこと。
  • 給料面について雇用時によく話し合うこと(毎年10%アップが当然と思わせない)。契約書を作成するのが望ましい。
  • 契約時に決まり事をきちんと伝えるべき。相手に「仕事に来ている」という意識を持たせる。
  • 必ず試用期間を設ける。
実際の勤務に際して
  • 信頼関係が大事だが、毅然とした態度をとることも必要。雇用者、被雇用者の関係をはっきりさせておく。
  • 完璧を求めないこと。
  • 信用しすぎない。求めすぎない。
  • 文化や人種の違いを受け入れて接すると楽に考えられる。
  • 我慢しないで何度も同じことを繰り返し教える。
  • 気がついたことはその時にきちんと伝える。
  • 身の上話など余計な話はあまり聞かない。
  • できるだけコミュニケーションをとるようにする。
  • 叱る時は大勢の前でなく個別に叱る。また、よく働いてくれたときは必ず誉める。
  • 貴重品などの保管には気をつける。
  • 定価のはっきりしているもの以外は買い物に行かせない。
  • 親類、友人などむやみにサーバントクォーターに招かないようにさせる。
  • 教育しながらも人間的に扱うこと。
  • スイーパーには道具の利用法などわかりやすいように説明し不衛生な仕事をさせない。
  • ドライバーに対しては常に安全運転を心がけるようにさせる。
※ 実際の回答をそのまま掲載しています。ご承知のうえご参考ください。
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